所有権保存登記とは?

不動産登記には様々な種類の登記がありますが、所有権保存登記とはどのような登記のことを指すのでしょうか。

新たに建物が建てられると、新たに登記簿が作成され、建物の表示登記がされます。表示登記とはその建物の面積や構造など不動産の状況を示す登記です。建物の表示登記がなされた段階では、権利に関する項目はなにもありません。

所有権保存登記とは、権利に関する部分(権利部)に新たに所有権の権利を登記することです。

つまり建物を建てたとき、新築の建物・マンションを購入したときは、自らの権利を保全するために所有権保存登記をする必要があるということになります。

所有権保存登記の必要書類は?

所有権保存登記に必要な書類は以下の通りです。

<戸建て>

  • 登記申請書
  • 住民票
  • 委任状

<区分建物(マンション)>

  • 登記申請書
  • 住民票
  • 登記原因証明情報
  • 承諾書
  • 委任状

住民票の有効期限はありませんので、3ヶ月以上経過した住民票でも登記ができます。ただし、現在の住所地の住民票である必要があります。

また、住民票の原本還付も可能です。

区分建物の場合は、敷地持ち分(土地)の移転も含みますので必要書類が増えます。

所有権保存登記の登録免許税は?

所有権保存登記の登録免許税は4/1000です。

課税価格が1000万円の建物の場合、納付が必要な金額は4万円です。

課税価格は通常、自治体が決定する固定資産評価額を基に計算を行いますが、新築物件の場合、まだ評価額が決定していないため、法務局の認定価格を使って計算します。

所有権保存登記の登録免許税の軽減措置はあるの?

専有面積や、居住要件などの要件を満たした場合、登録免許税の軽減を受けることができます。

登録免許税の軽減を受けた後の税率は1.5/1000となります。

特定長期優良住宅や特定低炭素住宅の場合、税率がさらに優遇され、1/1000となります。

例えば特定長期優良住宅で課税価格が1000万円だった場合、登録免許税は1万円となります。

所有権保存登記の登記完了後は?

所有権の保存登記が完了すると、登記識別情報通知という書類が法務局から交付されます。

登記識別情報とは12桁の英数字が羅列されたパスワードのようなもので、この英数字自体はミシン目で綴じられており、開かない限り見えない仕様になっています。

登記識別情報はこれまでの権利証に代わるもので、不動産を売買するときなどに使います。

他人に登記識別情報を見られないよう、注意して保管するようにしましょう。

まとめ

所有権保存登記とは、その不動産の最初の所有者が所有権を登記するときに行う登記のことです。

主に建物を新築したり、新築マンションを購入した際に必要となる登記です。

建物を建てたのに登記をせず、相続が発生してしまった場合は相続人名義に所有権保存登記をすることができます。

土地の所有権保存登記は稀にあります(自治体の払い下げの土地など)が少ないです。

基本的な必要書類は登記申請書、住民票、登記用の委任状ですが、新築マンションを購入した場合には登記原因証明情報、承諾書も必要になります。

登録免許税率は4/1000ですが、軽減を受ける場合、1.5/1000もしくは1/1000となります。

所有権保存登記でわからないことがございましたらお気軽に小藤・森川司法書士事務所にお問合せください。

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